筆界特定制度は、一口に言えば

国が土地の境界を決めてくれる制度です。


「決める」という言い方をすれば、一部の専門家から

突付かれそうですが・・・、一般の人に分かりにくくなる

のでお許しくださいね。


誰のための制度かというと、もちろん国民のための制度です。

・・・のはずだったのですが・・・、

どうなんだろう?と問題を感じてしまう話しがあるので、ここでほんの少し取り上げておこうと思います。


最近、境界線について、十分に調査された事案であるにも関わらず、

隣接土地所有者の印が足らない、という理由で

普通に登記することが出来ないことが増えたそうです。

(理由はいろいろありますが、省略します)


近年の登記の取扱いとしては、登記の際に境界線の確認を

隣接土地所有者に「筆界確認書」に印をもらうことになっていました。

しかし、あくまで境界線は国のものということで、

私達土地家屋調査士が資料等によって境界線が間違いない旨を

確認が出来た場合は、必ずしも隣接の印が揃っていなくても

登記が出来ていたのです。


ところが・・・


筆界特定ができてから・・・

登記官「きみ、すまんがコレ筆特出してくれんかね。」

調査士「えぇ~!!、 でも境界は間違い無いですよ・・・」

登記官が筆界特定を促す発言が増えているのです。

もちろん、境界が不明な時は仕方ありません。

しかしどうしても登記官の責任回避を感じざるを得ない話しがあるのです。


筆界特定を利用せざるを得ない状況に追い込まれると

土地所有者に対する金銭的な負担はもちろんのこと

1年近くを要するため、大きな損失を招きかねません。


せっかく出来た良い制度だと思うのですが、

国民のための制度が・・・

国民に負担増となることも。

決して希な話しでは無いような気がします・・・。






==事務所(大阪府)==
江川土地家屋調査士事務所